リアルエレファントとの恐怖との戦い【東南アジアチャリ旅#22】
今日はこんな道を通って
無事に到着した。
いつもは
「山道が少なければ長い距離を選択し、山道が多ければば短い距離を選択する」と思っていたが、今日はそんなこと言ってられなかった。
序盤は"Googleマップでいう近道”を久々に通った。
いつもの如く、それは距離的な近道であって、決して効率の良い進み方ができるわけではない。
今回の地面のコンディションは、砂交じりの泥プラス砂利道である。
勿論、多少のアップダウンもある。
そして、タイヤ取られて滑りまくりクリスティ、転びまくりクリスティーである。
獣道を抜けたら次は、この21日間で一番過酷だった、山坂のオンパレード。
「800mとか900mって何⁉️」とキレ気味になる。
それがこの距離繰り広げられている。
持病の腰痛で腰がイカれる。
その状況の中でこの看板が颯爽と登場する。
「そうだよねー。自然豊かだし、野性の像くらいいるよねー。」
「だよねー。超ウケるー。」
…。
……。
……てなるかボケーーーッ‼️
実際、ゾウさんが目の前に現れたらどうするんや‼︎
「キリンさんが好きです。でもゾウさんの方がもっと好きです。」って言えなくなるぞ。
お前はトンだろ。
俺はキロ。
出場する階級間違えてるし‼︎
確かに道路を挟む森をみると竹や木、電柱までも、なぎ倒された形跡がある箇所がそこら中にある。
実は
「野性の像でますよー」という看板は像の保護センター付近で、一度見たことがある。
しかしそこは車通りも多いし、像が出ても何とかなる状況であった。
しかし今回は車通りが少ない。
想像が膨らむ…。
仔象が出てきて
「あっ。ほんとうにやせいのぞうがいるんだ。かわいーなー。」と思っていると、後ろから母像現れ、私をロックオン。
敵と判断し、あの竹や木のように自転車もろとも私がなぎ倒されるイメージしかつかない。
猛烈に怖くなってきた。
スマホで[タイ 像]でアンド検索する。
すると[車押し潰される。観光客多く、ストレスか]みたいな感じで情報が出てくる。
対処法は、[エンジンを止めず、速やかに通り過ぎて下さい]とのこと。
「いや、それは車じゃん‼️自転車はどうすんの⁉️そもそもエンジン搭載してないし‼️坂を登ってる時どうすんの⁉️ねぇGoogle⁉️」と車をペシャンコにする像が生息するという事実と
「いつまで上り下り繰り返せばいいんだ」という途方のなさが相まって、またキレ気味になる。
取り敢えず
「ここに人間がいますよー」アピールをしなければと思う。
熊がいる森には鈴を。
像がいる森にはゴリラの物真似を(?)。
そう。
あろうことか
「人間いますよー」アピールではなく、ゴリラの物真似で
「森に馴染む」選択をしたのだ。
いや、それをしたのは私自身なのだが、選択というよりも、勝手に行なっていたのだ。
疲れの影響なのか、本能とでもいうべき行動なのか、郷に入れば郷に従えなのか…。
振り返ってみてもよくわからない。
ゴリラ(しかもリアルな方)の物真似をしてすぐ、電線を直している人々がいた。
「(どうか、ゴリラの物真似をしていたことがバレていませんように)」と願いながら、何食わぬ顔をして通る。
電線を直している人々の方をチラ見すると、薪をしているではないか⁉️
「人間いますよー」アピールが正しかったようだ。
答えがわかってよかった。
下山中はいつもサングラスをして下る。
なぜなら、目に虫が入らないようにするためと風の影響で涙が出て目が乾燥するのを防ぐためである。
今回は、そんなことも忘れてサングラスをかけないで降りていると案の定、涙が出てくる。
それは、風のせいなのか、はたまた上り坂を登り終え下り坂の嬉しさからなのか、私にもわからない。
そんなこんなで途方もない山を越え、遅めの昼食を頂く。
そぼろ丼
お腹減ってたしめちゃめちゃ美味かった。
「No spicy」が通じてよかった。
屋台のねーちゃんがさらっと
「普通、像が出るのは夜よ」と言った。
「(そうだよね。)」と私は思った。
夕食は炒飯
ここ4回の食事で3回炒飯で、2回は店の人に勧められて頼んだ。
タイには
「日本人には炒飯」という鉄則があるのだろうか。
決して外してはいないのでこちらもオッケーである。
ここの店のおばちゃんは、日本語めちゃくちゃ上手かった。
5年間長野で働いていたらしい。
若い時に日本で働いていたので「だんだん日本語がわからなくなってきている」という。
所々の気遣いの仕方といい、なんとなく夜の仕事をしていたのだと思う。
立派な仕事である。
なぜだか知らないが、ビール2本を他のお客さんに奢ってもらった。
自転車のタイヤの外し方を実演したからだろうか。
いや、多分店のおばちゃんが私が東南アジアをチャリで回ってることを伝えたのだろう。
とりあえず今日は、疲れた。
明日は、ダラけよーと。
決めた。
ダラダラ漕ごう。
夕日
そしてワールドカップ観よう。
おやすみ。